港南台タカシマヤ 店長 浅野秀樹さん

地元愛&お客様の声が売り場をつくる

港南台タカシマヤ 店長 浅野秀樹さんの写真

この夏、お盆休み真っ只中の8月16日。3階の特設会場に、『ヨコハマ3R夢!』のマスコット「イーオ」が来場。港南消防署の消防士、南部病院の医師らも招いての「夏休み自由研究」イベントは多くの親子連れでにぎわった。
10月1日で開店36周年。地域と連携しながら、新しい取り組みを展開する港南台タカシマヤ店長の浅野秀樹さんに話をうかがった。

港南台店の印象

浅野さんが店長として赴任したのは昨年3月。千葉の自宅から片道2時間かけて通勤している。地下1階から3階まで店内を歩くと、お客様から直接声を掛けられるのに驚いた
という。「以前勤めた日本橋店では考えられないこと。顔見知りになった方からは、ご友人を紹介していただくこともあります。地元の方にとって愛着のある店なんだと感じます」。

まちの声を聴きたい

昨年9月、港南台タウンカフェが月に一度開催する「まちサロンinCafe」に浅野さんはゲストとして参加。地域の人々とテーブルを囲み、膝を突き合わせて港南台店への意見や要望を聞いた。
販売フロア、華やかなイベントが減ったことに厳しい意見が出る一方、多くの参加者からバラのマークへの愛着、港南台のまちの発展に果たした役割への感謝が熱く語られた。「このまちに暮らす方が、髙島屋をどう思っているかを知る貴重な機会でした」。

お客様の声にできる限り応えたい

売り場を歩くとき、浅野さんはお客様にも販売員にも細やかに声を掛ける。「人と話をするのが好き。企画して、人に喜んでもらうことが好きです。直接的に喜んでもらえる仕事だと思ってデパートを選び、一番入りたかった会社に入りました」。
髙島屋には、品揃えやサービス、施設について、店頭で販売員が聞いた「お客様の声」を登録するしくみがある。声の多いものはできる限り早急に対応するが、港南台店の場合、浅野さんがお客様と交わす会話の中で要望を聞くことも多いという。
2016年、4階と5階にニトリが入った際、日用品売り場は縮小したが、昨年9月、要望が強かったタオル売り場を2店、復活させた。
この夏、地下1階の青果売り場に掲示された「桃は大変デリケートなため、柔らかさをご確認の際は売り場係員にお尋ねくださいませ」の貼り紙。これまでの髙島屋には見られなかったものだ。「隣のバーズさんにはちゃんと貼ってあるから、とお客様から教えていただきました。伝えてくださるのはありがたいこと。お声を少しずつでも反映させていけば、良い店になるのではと思っています」。

港南台タカシマヤ店内の写真
情報は売り場から。担当者と会話がはずむ。

年間300日以上来店するお客様も

港南台タカシマヤの売り上げは、食料品が60%を占める。とくに地下1階の生鮮食料品が人気だ。新鮮な野菜や魚介類などがダイナミックに盛られ、夕飯のおかずを髙島屋に頼る人々で賑わう。「私も最初、デパートで魚を毎日買ってくださることに驚きました。良いものを選ぶ、目が肥えたお客様が多いと感じます」。化粧品、日用品など普段使いの商品も売れ筋。まさに生活に密着したデパートだ。
「週2、3回ご来店の方が多く、年間300日以上という方も結構いらっしゃいます。ほぼ毎日ですから、いろんな変化に良く気づいてくださる。毎回、行くたびに違う、初めて見る!そんな楽しみがあった方がいいですよね」。週替わりで違うパン屋さんのパンが並ぶ「みなとベーカリー」など、様々なサービスを展開している。

キーワードは「健康」、そして地域密着

港南台のまちの成長と共に36年。客の年齢層も健康を気遣う世代が増えた。「南部病院の待合室で、当店のタオル売り場復活が話題に上ったそうです。ありがたいことです」。
この8月、「南部病院管理栄養士弁当」を限定販売するや、連日完売の人気。昨年から始めた同病院の医師や看護師を招いての健康セミナーは毎回好評だ。

愚直に、地域の皆さまとともに

昨秋の開店35周年には、近隣の保育園児が描いた「ひまわりの絵」が1階売り場の壁一面を彩った。地元小学校のマーチングバンドによる演奏会も。「30代、40代の若い世代に来ていただくために、来店の機会を増やしてまずは店を知っていただきたい。近隣のお客様が喜び楽しんでくださることに特化して、もっともっと愚直にやるしかないと思っています」。
冒頭の夏休み自由研究では、資源循環局港南事務所、港南消防署、南部病院に協力を仰いだ。「どちらにお願いしても、とても協力的。住民の方は地元愛が強い地域と感じます。」。元号が変わった時、お客様が「令和」の額を持って来店。正面玄関で浅野さんと並んで記念撮影した。「こんな店、他に無いですよ」。
デパートのイメージを超えた柔軟な発想で新しい売り場をつくる。地域に愛され、お客様とともに。港南台タカシマヤのこれからに注目したい。


港南台タカシマヤ
横浜市港南区港南台3丁目1番3号

取材◎菅野 裕子/斉藤 保/藤沼 理保
文◎菅野 裕子
撮影◎斉藤 保/藤沼 理保
取材日◎ 2019年8月17日