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おせんべい手造り50余年 三ッ山製菓さん


【街の達人】



おせんべい手造り50余年
会話がはずむ街のオアシス 三ッ山製菓


港南台駅から徒歩15分の閑静な住宅街。2年前まで、入口に『港南台中央名店街』のアーチもあった通りに、三ッ山製菓がある。


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ガラス戸を開けると、「いらっしゃい」といつもの笑顔。ガラスケースに手造りおせんべいが並ぶ、昔ながらの対面販売のお店だ。

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開発が始まったばかりの港南台


戦後にぎやかだった桜木町野毛地区で、三ッ山善二郎さん暉子さんご夫婦がせんべい屋を始めたのは昭和30年のこと。その後、港南台の開発が始まった昭和54年、今の場所にお店を移した。当時の港南台は、駅はあっても駅前に大型店舗も無く、あちこち空き地だらけ。驚くことに、三ッ山さんのお店から駅舎が遥か遠くに見えたという。

「この通りは、子どもが溢れるように歩いていましたね。」と、暉子(てるこ)さんは当時を懐かしむ。公団の団地や小中学校に近い港南台中央名店街には、八百屋、肉屋など約15軒のお店が並び、生活するには何でも揃った。その後、駅前に商業圏が移り、当時から営業を続けているお店は2、3軒のみとなった。

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7日間かけて手造り


開業から2年くらいは、おせんべいを仕入れて販売していた。機械化が始まり、品物の味が落ちたので、「自分でやってみようか。」と試行錯誤で手造りを始め、今日の製法にたどりついたという。

もち米を洗って一晩おき、翌日蒸して搗(つ)く。冷蔵庫に2日寝かせたら薄く切り、店頭に台を並べて天日干し。その後、味つけなどの加工をする。約7日間の行程は、全て善二郎さんの手作業だ。

天気の良い日、店頭一面におせんべいを思いきり広げて干す様子は壮観だ。カラッと晴れた日に干せるよう、週間天気予報を見て作業日を逆算。「お天気商売ですからね。」と暉子さんは笑う。「時給で働く今の人には、考えられないでしょうね。」それでも、おせんべいの値段は30年間変わらないというからすごい。

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会話がはずんでほっと一息


お店には、幼児から90歳代までいろんな人がやってくる。造るのが善二郎さんなら、販売は暉子さんの担当。おしゃべりしながら買い物できるのは、対面販売ならでは。お客さんと昔話にも花が咲く。「昔は屏風ヶ浦まで海だったし、関内なんて草ぼうぼうだったからね。」横浜に住んで50余年。大きく様変わりする街の様子を見てきた暉子さんの話に、ぐいぐい惹き付けられる。

お客さんだけではない。郵便や新聞、メール便の配達も、郵便受けに入れないで、店内のガラスケースの上まで届けてくれる。彼らもまた、暉子さんのいつもの笑顔、いつもの会話にほっと一息。そしてまた、外の世界へ戻っていく。
「振り返ってみても、50年経ったの? という感じよ。できる範囲で気楽にやってきたからね。」と暉子さん。時間がゆっくりと流れる”街のオアシス “のようなこのお店が、長く長く続くことを願わずにはいられない。


(レポート:菅野 裕子 取材:2010年8月)

三ッ山製菓 有限会社
横浜市港南区港南台6-2-11
TEL045-833-1001
営業時間9時〜21時位 日曜日定休


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